花の色は移りにけりな・・・

【第一話】

最近、鏡を見るのが、恐ろしい。

肌はくすみ、すっかりハリを失い、みるみるシミが増え、

まぶたも垂れ気味で、頬はこけ、ほうれい線もでてきた。

どこからどうみても、疲れたオバサンやん。

四十路も半ば、花の盛りはとうに過ぎたとはいえ、

鏡に映った自分のあまりの衰えように、目をそらしたくなる。

花の色は移りにけりないたづらに

わが身世にふるながめせしまに

と詠んだ、小野小町の憂いが、今となっては痛いほどわかる。

絶世の美女と称賛された、あの小野小町でさえ、

時の流れ 「加齢」 という魔物には勝てなかったのに、

並の凡人である私が加齢に侵されるのは、当然のなりゆきだ。

咲いた花は、いつかは必ず枯れてしまう・・・。

造花はいいよね、枯れないから(笑)

小野小町

日に日に、情け容赦なく崩壊してゆく、顔面。

山村に移住してからの4年半で、急激に崩壊がすすんだ。

体型は変わらないのに、顔面の崩れと肌の劣化は著しい。

日頃、夫以外の人間と顔を合わせることは、ほとんど無く、

外出といえば、近所の寂れたスーパーに行くだけの生活。

洋服も髪型もどうでもよく、身なりに気を遣うことが無くなり、

気がつけば、めったに鏡さえ見なくなっていた。

人目にさらされない生活って、本当に恐ろしい・・・。

人と関わらない隠遁生活は、顔にも心にも良くないのね・・・。

もっと外に出て、人にも会って、表情筋を動かさなきゃ。

もっと早く、こうなる前に、気づくべきだった。

もう、手遅れよっ(泣)

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崩壊の一途をたどる自分の姿にウンザリし、

20代・30代の若さを懐かしみ、過去の自分に会いたくなる。

昔のアルバムでも開こうかな・・・と思ったところで、

私の手元には20代・30代の自分の写真が、一枚も無い。

7年前、今の夫と暮らし始めた時に、

昔の写真は全て置いてきちゃったから。

ほとんど前夫が撮ってくれたものだったし、

それを持参するのは今の夫に対して失礼な気がしたし、

自分の過去も人間関係も全部捨てる覚悟だったし、

だから大量にあった18年間の写真も全部捨ててきた。

私の18年間の軌跡・・・、想い出の写真たち。

なんで、置いてきちゃったんだろう・・・。

こっそり隠して持って来ればよかった・・・。

そう後悔する度に悲しくなって、おいおいと泣いてしまう。

たかが写真ぐらいで・・・って思われるかもしれないけれど、

女として一番綺麗な頃の写真が一枚も残ってないというのは、

やはり虚しくて、とても悲しい・・・

***** *** この話は、三部作です *** *****

第一話 「花の色は移りにけりな…」 2014年10月16日

≫ 第二話 「母親への感謝と、遺恨」 2014年10月20日

≫ 第三話 「まさか、それを送ってくるとは…」 10月24日

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