もんじが亡くなって、門限が無くなった。

今までは、寂しがり屋のもんじに不安な思いをさせたくなくて、

もんじの昼寝中に外出して帰宅するのが定例だったけど、

帰りを待っててくれるもんじは・・・もう、いないから・・・。

そのかわり今は、何処へ行くにも、もんじと一緒。

もんじの骨をバッグに忍ばせて、一緒にお出かけをする。

ペットの遺骨を持ち歩いてるなんて、気持ち悪いですか?

気持ち悪いって思われても、別に構いません。

愛しいもんじの骨と、私は片時も離れたくないのです。

・。.・⌒・。.・⌒・。.・⌒・。.

耐えがたい寂しさと悲しみを紛らわしたくて気晴らしに、

もんじの骨を連れて街の大型商業施設に遠出してみた。

街に出るには車で片道2時間少しかかるので、

もんじの存命中には考えられなかった1日がかりの遠出。

数年ぶりの雑踏と、まぶしすぎる照明と、うるさすぎる喧騒。

慣れない広い施設内をウロウロと何時間も歩き回って、

目も 耳も 足も 神経も疲れ果て、ヨレヨレのクッタクタ。

やっぱり人混みは苦手・・・、静かな自然の中の方が落ち着く。

でも、久しぶりに美味しいスイーツも食べられたし・・・、

楽器店に立ち寄って大好きなピアノの匂いも嗅げて、

ちょっとだけ・・・ 楽しい時間も過ごせた。

・。.・⌒・。.・⌒・。.・⌒・。.

その楽器店は、私の大切なピアノを売却したお店。

もしかしたら売却したピアノに会えるかもしれない・・・と、

閑散とした入りづらそうな店内に、思い切って入ってみた。

すると案の定、すかさず、お店の人が声をかけてきた。

正直・・・面倒だ、だけど、向こうも商売だから仕方ない。

そそくさとその場を立ち去りたいところだったけど、

もっとピアノを見ていたかったし、ピアノの傍にいたかった。

「見るだけなんですけど、良いですか?」 と断りを入れ、

奥の別室にあるグランドピアノのコーナーに入らせてもらった。

案内してくれたアドバイザーさんが素敵な女性で、

営業トークとはいえ、熱く熱くピアノを語ってくださって、

ちょっぴり切ないけれど、とても楽しいひと時だった。

・。.・⌒・。.・⌒・。.・⌒・。.

だけど少し、後味の悪さが残ってる。

自宅で弾いているピアノについて聞かれた際に、

「ヤマハのアップライトです」 と、つい、答えてしまった。

もうピアノ持ってないのに・・・、本当のことが言えなかった。

なんで嘘なんか、ついちゃったんだろう・・・。

話の流れで調律師の名を聞かれたので、そこは正直に答えた。

私がお世話になっていた調律師さんは、このお店と繋がりがある。

調律師さんにはピアノを売却したことをお知らせしたから、

アドバイザーさんに私の嘘がバレる可能性は十分ある。

どんな小さな嘘でも、ついてしまうと後味が悪い。

・。.・⌒・。.・⌒・。.・⌒・。.

でも世の中には、嘘を屁とも思わない人種もいる。

私の夫も、その類らしい。

私のピアノを売り飛ばした夫は、嘘を恥じる素振りもなく、

アドバイザーさんと私のピアノの会話に横から割り込み、

積極的にピアノの話に参加し始めた。

この人の神経は、いったいどうなっているんだろうか・・・。

一方的で理不尽な夫の言動によりピアノを失った私が、

どんな思いで買えもしないピアノの前にいるか・・・。

無神経な夫にはまったく想像もできないのだと思う。

よくもまぁ、いけしゃぁしゃぁ平気でピアノの話ができるよね。

しかも、知ったかぶりで意気揚々と・・・ベラベラベラベラ。

無神経もここまでくれば、立派だわ。

もんじの喪が明けるまでは夫への遺恨は封印しよう、

そう心に決めていたけれど・・・、ごめんね、もんじ。

ちょっとだけ、書かせて。

・。.・⌒・。.・⌒・。.・⌒・。.

ねぇ、もんじ・・・

もんじは嘘ついたりしないの?

誰かを傷つける嘘は、ついちゃダメだけど、

優しい嘘なら、ついてもいいんだよ。

ねぇ、もんじ・・・、嘘だって言ってよ・・・。

ある日突然、ひょっこり元気な顔で私の傍に駆け寄って、

「エヘヘ、びっくりしたぁ? ぜ~んぶ嘘やで~~~」

「ほんまは死んでないねん、ピンピンしてるでぇ~♪」

「お腹減ったわ、はよキャベちょうだい、スモモも~~~」

そう言ってくれたら、いっぱい叱ってやるんだから。

いっぱい叱って、いっぱいいっぱい撫でてあげたい・・・

もんじ

関連記事

テーマ:  2015年 もんじ ペットロス ピアノ喪失